
藤井四段の人気で将棋界が湧いています。ひふみん人気などもあり将棋をやり始める人もいるほど将棋ブームが起こっています。
ここでは将棋にまつわる都市伝説を1つ紹介させていただきます。
将棋倶楽部24に現れたdcsyhi(デクシ)
将棋はプロだけじゃなく、アマチュアでも楽しむことができます。
見ず知らずのアマチュア同士で楽しむ場はインターネット上にあります。それは「将棋倶楽部24」というサイト。
将棋倶楽部24では、24時間世界中の人たちと将棋を指すことができます。
登録者の実力は分けられているので、常に自分の実力に合った対戦者と対局ができるという画期的なシステムとなっています。
この将棋倶楽部24に2002年の終わり頃、「dcsyhi」というハンドルネームの人物が現れました。ファンの間では「デクシ」と呼ばれています。
このデクシ、ネット将棋に現れてから数多くの対局をして全戦全勝。しかも圧倒的な強さで勝ち進み、瞬く間にレベルを上げていきました。
次第に「コイツ何者なんだ」と噂になっていったんです。
デクシとプロ棋士がネット上で対戦!
その噂はプロの世界まで広がっていき、当時の名人でもあった佐藤天彦と対戦することになりました。
この一戦はアマチュア・プロ関係なく、将棋ファン注目の一戦となったんです。
その対局で勝利したのはデクシ。
まさかデクシが将棋のトッププロにまで勝ってしまうとは予想しているものも少なく、驚きの結果となったのは言うまでもありません。
今ではコンピュータがプロに勝つのは当たり前ですが、当時はコンピュータの実力はプロの足元にも及ばない時代です。

デクシの正体は人間
アマチュアがプロに勝てるわけがない
デクシはプロ棋士の誰か
プロの中でもトッププロ
徐々に人物が絞られていきます。そこで頭をよぎるのは、あの人物。そう、あの天才棋士「羽生善治」です。
デクシの正体は羽生善治なのか!?
羽生先生ならこの強さも頷けると、ファンの間では「デクシの正体は羽生」という噂があっという間に広がっていきました。
そんなタイミングで、デクシはネット将棋界から姿を消します。こうしてデクシは将棋界の伝説となりました。
デクシの対局時に羽生が将棋の対局をしていれば、デクシの正体は羽生ではありません。でも偶然か必然か、デクシの対局時に羽生は1度たりとも将棋の対局をしていないのだとか。
羽生自身も自らデクシについて話すことは、今まで1度もありません。
このこともあり「やっぱりデクシは羽生なんじゃ・・・」という都市伝説が生まれたというわけです。

将棋界のdcsyhiと囲碁界のsaiが似すぎてる件
ちょっと話は変わりますが、デクシがネット将棋界を賑わす前。「ヒカルの碁」という漫画が大人気となっていました。
これは将棋ではなく囲碁の話なのですが、この漫画の中に「ネット碁」というものが出てきます。
「sai」というハンドルネームの人物が自らの正体を隠し、プロを倒していくという展開がありました。
この「sai」と「dcsyhi」なんか似てると思いませんか?
もしかしたら羽生は、ヒカルの碁を読んで「自分もネット将棋でアマチュア達と将棋を指したい」との思いでネット将棋界に現れたのではないでしょうか。
そうでもしない限り、アマチュアの将棋ファンと対局する機会なんて、そうそうありませんからね。
羽生が語らない限り真実は分かりませんが、事実だとしたらかっこよすぎです。
もし事実なら、当時デクシと将棋を指した人たちは一生の思い出となることでしょう。
だって羽生善治はいまや、国民栄誉賞を受賞した将棋界のスーパースターなんですから。